たまにテレビや雑誌等で「アサード」という言葉が出てきていますね!
「アサードって何だ?!」
「アサードってグルメ雑誌で見たけど、どうやってやるの?」
って思っている方にアルゼンチンアサードについてレクチャーさせていただきたいと思います!!
是非このやり方でアサードにトライしてみてください!
アルゼンチン在住スタッフであるヘレミアス・フェルナンデスより、本場アルゼンチンのアサードをお届けいたします。
アサードはアサドールが仕切る!
アサドール(女性の場合はアサドーラ)とは、炭火焼き職人のことを指します。
レストランでいうと「シェフ」の立ち位置になります。
アルゼンチンでは、各家庭に1人アサドールがいます。
お父さんや中高生以上の息子さんなどが多いです。
中高生からお父さんの手伝いと称して、アサドールとしての修業が始まります。
アサドールの好きな焼き加減を親から子へ受け継がれます。
各家庭により仕上がりが異なりますが、大体はミディアムレアからウェルダンに近い状態で食べられます。
(外国人観光客の多いレストランはレアで仕上げるところが多い印象です。)
また基本的に男性がアサドールですが、最近はアサドーラ(女性)も増えてきています!
アルゼンチンアサードのやり方をご紹介
冷凍肉の場合はアサードをする前日くらいから牛肉を解凍します。
肉を焼く1時間前には常温に戻しましょう。
キッチンペーパーで表面を拭き取りましょう。
空気にふれることでお肉の色がきれいな赤色になります。
肉は人肌程度の温度になっていることが条件です。
表面の脂などは取らないようにしましょう。
なぜなら脂に旨味があるからです。
パリージャ(網)をきれいにし、ここから火起こしをします。
火起こしは、木炭か薪(オーク材)を使用します。
オーク材のような硬い材質を使うことで火が付いたあと長持ちします。
クシャクシャに丸めた紙の上に山を作るように木炭をセッティングして紙に火をつけると上手に火起こしできます。
木炭は芯まで火が通るまで待ちます。
着火剤などの燃料や火起こしチップを使うと、木炭や薪に臭いがついて肉の味を損なうため使用しないようにしましょう。
火がついた木炭に岩塩をまくと、木炭から発生されるガスを吸収し、肉に臭いがつかないようになります。
木炭に火が通ったら、パリージャの下にまんべんなく配置していきましょう。
パリージャの下に均等に炭をおいてください。
パリージャと炭の距離は約15cm程度あけてください。
そうすることで、弱火でじっくり焼けてよりジューシーに仕上がります!
牛肉を優しくゆっくり丁寧に時間をかけて焼き上げます。
火加減を調整するのは自分の手です!
手をパリージャにかざして、どれくらいの時間、熱さに我慢できるかによって炭の量を調整していきます。
塊肉を焼く場合は8秒くらい手をかざして我慢できるくらいがちょうどいいです。これは弱火を意味します。
※当店の牛肉の場合は、1kgまたは2kgのブロックを焼くときの火加減です。
塊ではないステーキの場合は5秒程度が中火となるので、ちょうどいい火加減になります。
※当店の牛肉の場合は、250gステーキカット
500gブロックをこの熱さで焼くと表面だけ先に焼けてしまって、中がまだ生になるのでご注意くださいね!
ナイフはアサードをする上で大事な道具で、アサドールにとって絶対必要なものです。
アサードをする前には必ずナイフを研いでおきましょう。
絶対に切れないナイフを使ってはいけません。
僕の祖父ドン・ロッシはアサードをする前に大きい包丁を研ぎ石でシャッシャッシャッシャ音を立てて、「これからアサードするぞー」と、とてつもない気迫で圧倒されたことがありました。それくらい気合が入るんですよね、アサドールは。。。
肉は岩塩で味付けをしましょう。
焼いている最中に肉を刺してはいけません。
穴をあけると肉汁がでてしまい、肉が乾燥していまいます。
お肉が焼けるまではおつまみのチョリソーを出したり、アルゼンチンの伝統的なおつまみであるPicadito(ピカディート)を用意しください。
(Picaditoはサラミ、チーズ、パンなどです)
写真のチョリソーは手前がベーシックなタイプ。
このチョリソーを網で焼いて、パンに挟んでチョリパンの完成です。
チミチュリソース付けて食べると、食べるの止まりません。
奥にある日本では見慣れない黒いチョリソーは豚の血で作られたモルシージャといいます。
「うぎゃーー!豚の血ーーー!!」と思った、そこのあなた!
だまされたと思って食べてみてください!きっと人生変わりますよ!
ちなみに焼かずにそのまま輪切りしたパンのせて食べても絶品です。
焼き加減はフォークで肉を押してみてください。
肉を押したときに「ブニュブニュ」としていたらレアよりかはまだ生の状態です。ちょっとしっかり硬くなってきたな~という状態は「レアかミディアム・レア」しっかりピーンと定規みたいに硬くなっていたら「ウェルダン」になっています。
ミディアム・レアを狙っていくと日本人好みの固さになります。
ゆったりとした伝統的なアサードを楽しみましょう。
肉が焼けたら、パリージャからとって、10分休ませてください。
その後、みんなが食べやすいようにカットし、盛り付けして完成です!
「アサードができたよ!」
アルゼンチンではアサードのお供にさっぱりしたサラダと赤ワインを飲みます。
食事が終わったあとに、みんなでアサドールに拍手を送りましょう。