
たまにテレビや雑誌、インターネットのWEBメディア等で「アサード」という言葉が出てきていますね!
でも「アサードって何だ?!」って方や、「アサードってグルメ雑誌で見たけど、どうやってやるの?」とか、「アサードって言ったって、、、どうせアメリカンなBBQと同じでしょ?!」って思っているそこのあなたにアルゼンチンアサードについてレクチャーさせていただきたいと思います!!
皆様にアルゼンチンのアサード文化とやり方をしっかりと伝えて、是非このやり方でアサードにトライしてみてください!
あっ、でもうちのアルゼンチン牛肉を使って初めてアサードしたって言えますからねっ!(アルゼンチンジョーク笑笑)
本文はアルゼンチン在住スタッフであるヘレミアス・フェルナンデス(通称:ルル)より、本場アルゼンチンにて調査したアサードに関する情報を基に情報発信しております。
●アサードの基本的な方:
Asado(アサード)とは肉選びから始まり、
すべての責任をアサドールが負うということです。
逆を言うと、アサドールがアサードしている時に周りの誰かが良かれと思って横から「これ、こうした方が良いんじゃない?」と、アドバイスをしたら大変危険です!それをすると、本場のアサドールから「じゃあ、お前が焼け」とブチ切れされますのでご注意ください(笑)
ちなみにここで何度も出てくる”アサドール”とは炭火焼き担当あるいは炭火焼き職人のことを指します。家庭の場合はお父さんまたは息子さん、レストランの場合はシェフということですね。
アルゼンチンでは各家庭に1人必ずアサドールがいます。
大体は一家のお父さん、または中高生くらいの息子さん。そのお年頃からお父さんの手伝いと称してアサドールとしての修業が始まります。
当然ながら各家庭、更にはアサドールであるお父さんの好きな焼き加減を叩き込まれるため、各家庭により仕上がりが異なりますが、大体はミディアムレアからウェルダンに近い状態で食べられます。(外国人観光客の多いレストランはレアで仕上げるところが多いかなと)
また基本的に男性がアサドールと決められています。
が、最近はアサドーラ(女性の炭火焼き担当・職人)も増えてきています!
それではアルゼンチンアサードのやり方について解説していきます!
肉を焼く前にしっかりと解凍しましょう。
解凍した肉は真空パックからとりだし、肉を焼く1時間前には常温に戻しましょう。
常温に戻したらキッチンペーパーで表面を拭き取りましょう。
空気にふれることでお肉の色がきれいな赤色になります。
肉は人肌程度の温度になっていることが条件です。
表面の脂などは取らないようにしましょう。
なぜなら脂に旨味があるからです。
パリージャ(網)をきれいにし、ここから火起こしをします。
火起こしは、木炭か薪(オーク材)を使用します。
オーク材のような硬い材質を使うことで火が付いたあと長持ちします。
火を起こすテクニックとしてはクシャクシャに丸めた紙の上に山を作るように木炭をセッティングして紙に火をつけます。
木炭は芯まで火が通らなければいけませんが、火が通るまで時間がかかります、そこで短縮の手段として着火剤などの燃料や火起こしチップを使うと、木炭や薪に臭いがついて肉の味を損なうため使用しないようにしましょう。
そして、火がついた木炭に岩塩をまくことで木炭から発生されるガスを吸収し、肉に臭いがつかないようになります。
木炭に火が通ったら長めのスコップ(金属製のちりとり?!※写真中央)で、パリージャの下にまんべんなく配置していきましょう。
配置する木炭の高さは低めが良いです。
網に対して均等に配置するようにしてください。
パリージャは火が通った木炭に近づけないようにご注意ください。
高さ約15cm程度、パリージャと木炭の間隔を空けてください。
そうすることで、弱火でじっくり焼くことが可能となり、よりジューシーに仕上がります!
アルゼンチン・アサードの基本は「Despacito(デスパシート / ゆっくり)」ですよ~。牛肉を優しくゆっくり丁寧に時間をかけて焼き上げます。
このフレーズ聞いて、何だか美味そう!ってなりません??笑笑
そして火加減を調整するのは自分の手です!
手をパリージャにかざして、どれくらいの時間、熱さに我慢できるかによって炭の量を調整していきます。
塊肉を焼く場合は8秒くらい手をかざして我慢できるくらいがちょうどいいです。これは弱火を意味します。※ウチの肉で言ったら、ヒレかリブの1kgまたは2kg級のブロックが該当しますよー。
塊ではないステーキの場合は5秒程度が中火となるので、ちょうどいい火加減になります。※ウチの肉で言ったら250gステーキカットです!500gブロックで焼いちゃうと表面だけ先に焼けてしまって、中がまだ生になるのでご注意くださいね!
ナイフはアサードをする上で大事な道具で、アサドールにとって絶対必要なものです。アサードをする前には必ずナイフを研いでおきましょう。
絶対に切れないナイフを使ってはいけません。
よくアサードをする前に僕の祖父ドン・ロッシはデカい包丁を研ぎ石でシャッシャッシャッシャ音を立てて、声を出さなかったのに「これからアサードするぞー」と、とてつもない気迫で圧倒されたことがありました。それくらい気合が入るんですよね、アサドールは。。。
肉は岩塩で味付けをしましょう。
肉を焼いている時に絶対にやってはいけないのが火加減を知る手段として、肉を刺しちゃうこと、あれは絶対にやめておきましょう。
穴を開けてしまうことで、肉汁がでてしまい、肉が乾燥していまいます。
あと、先ほどのアサードの基本はDespacito(デスパシート/ゆっくり)する!と書きましたように、アサードは絶対に急いでしてはいけません。
子供から「ねーー!父さーんまだー!お腹空いた!」と怒られても、奥さんから「一体どんだけ時間かけるつもり?もうお昼終わっちゃうわよ笑」と、鼻で笑われて馬鹿にされても、義理父・母から「全く段取り悪いなー、どれだけ時間かけてるんだ」と呆れられても、絶対に急いではいけません!
アルゼンチンであれば木炭と網が飛ぶほどの大喧嘩になるのですが、ここは日本。高ぶる気持ちを抑えて、深呼吸しながら作り笑いをしながら、おつまみのチョリソー(割と早く焼けます!)を出したり、アルゼンチンの伝統的なおつまみであるPicadito(ピカディート)を用意してあげてください。
(Picaditoはサラミ、チーズ、パンなどです)
写真のチョリソーは手前がベーシックなタイプで肉が焼けるまでの間は、ベーシックタイプのチョリソーを網で焼いて(まぁまぁ直ぐ焼ける)、パンに挟んでチョリパンの完成です。チミチュリソース付けて食べると、食べるの止まらないですよ。。。。
奥にある日本では見慣れない奥にある黒い物体のチョリソーはなんと!豚の血で作られたモルシージャと言われるチョリソーです!!
「うぎゃーー!豚の血ーーー!!」と思った、そこのあなた!
だまされたと思って食べてみてください!きっと人生変わりますよ!
日本には伝説のモルシージャ職人のNさんという方がいて、僕も食べてみましたが、まんまアルゼンチンのモルシージャでメチャクチャウマウマでした!
ちなみに松井は焼かずにそのまま輪切りしたパンに乗せて食べる派です!あれも絶品!
アサードをより良くするアドバイスとしてはフォークを使ってください。
フォークの使い方は、フォークで肉を押してみてください。
肉を押したときに「ブニュブニュ」としていたらレアよりかはまだ生の状態です。ちょっとしっかり硬くなってきたな~という状態は「レアかミディアム・レア」しっかりピーンと定規みたいに硬くなっていたら「ウェルダン」になっています。
アサードをしている時間に敬意を表し、しっかりゆっくり待って伝統的なアサードを楽しみましょう。最高のアサードをするためには、自分が思い描く火加減、仕上がり具合をイメージして、忍耐と日々の練習を積み重ねましょう。
肉が焼けた後、分厚い塊肉の場合はパリージャからとって、まな板もしくはバットの上で10分休ませてください。その後、みんなが食べやすいようにカットしてあげましょう。
肉を休ませたあと、肉を木のまな板に切って盛り付けし、それをテーブルの上に載せましょう。
そして皆さんに「アサードができたよ!」と声をかけましょう。
そこにいるみんな各々が自分の好きなお肉(部位)を、まな板からとっていきます。
アルゼンチンではアサードのお供にさっぱりしたサラダと赤ワインを飲みます。
一番重要なことは、食事が終わったあとに、みんなでアサドールに向けて、ねぎらいの拍手を送りましょう。
あーーーっ、アサードしたくなってきたーーーー(:_;)